声なきものの唄 第1巻のあらすじ

声なきものの唄 第1巻のあらすじ

不幸にも両親が亡くなり、残された借金返済のため遊郭に売られた少女はこの世の地獄から抜け出せるのか?
時は明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育ったサヨリ、チヌ姉妹は幼い頃に母親を亡くし、父まで亡くしてしまった。
二人に残されたのは病弱だった母の薬代や漁師の父が残した船の代金などの借金だった。
借金を返済できる術もなく、二人は女中として奉公に出ることになった。
しかし、二人が連れて行かれた場所は遊郭。
姉のサヨリと離れ離れになった妹のチヌはいつかは姉に会える日が来ると信じていたが・・・。

 

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声なきものの唄 第1話「女の競り市」 ネタバレ

 

明治後期の瀬戸内海は伊之島で生まれ育った姉妹は島から出ていく事になった。

 

母はすでに病で亡くなっており、父は母の薬代や船の代金を残したまま、
シケの海に漁に出て亡くなってしまいました。

 

残された姉妹は借金を返すアテもなく、奉公に出ることになったのです。

 

姉:サヨリ17才妹:チヌ14才の時でした。

 

二人はいつか島に帰ってきて両親の墓を立てようと誓いました。

 

船に乗ってH県 矢津ノ浦に到着した二人が見た奉公先は、
島一番のお屋敷よりも立派な屋敷でした。

 

チヌは飯炊きもうまく出来ないのに女中が務まるのか心配していましたが、
サヨリは優しく二人で頑張ろうと声をかけてくれました。

 

屋敷に入った二人はそれぞれ違う部屋に案内されました。

 

チヌが案内された部屋には不安げな顔をした女たちがたくさんいました。

 

一方、サヨリが案内された部屋にはたくさんの男たちが居ました。

 

サヨリは案内した男に強引に服を脱がされてしまいました。

 

部屋にいた男たちは我先にと100円、120円とサヨリを落札しようとしました。

 

チヌはサヨリの悲鳴を聞いて競り場の部屋に飛び込みました。

 

裸にされ羽交い締めにされてるサヨリを目にすると競売の邪魔を
しようとしますが、男に殴られてしまいます。

 

顔を殴られたチヌも売り物だったのです。

 

このとき初めて女郎屋の奉公に出されたことを知るのです。

 

サヨリは何も知らないチヌを庇いますが、一人の女衒(ぜげん)の男が立ち上がり、
女郎がどういうものか教えてやると言ってチヌの股間を踏みつけました。

 

サヨリは女衒の男を押してやめるように言いました。

 

男はそんなサヨリを気に入り、高額で落札してしまうのです。

 

女衒の男は瀬島。
サヨリを競り落とした瀬島が、サヨリを連れて行こうとしたとき、
チヌは行かせまいと止めようとしましたが、瀬島に殴られて柱に頭を打ち気を失ってしまいました。

 

チヌは母親の顔を知らずに育ちましたが、母親似の顔をしていたサヨリはチヌの母親代わりだったのです。

 

そんなやさしいサヨリにチヌはさよならも言えずに離ればなれになってしまったのです。

 

目を覚ましたチヌは須賀谷という見世の主に競り落とされていました。

 

須賀谷の女将はチヌを見るなり貧相な女と罵りました。

 

女将はチヌに厳しく厳しく当たりましたが、須賀谷の女郎の
おマサ、小梅の二人が面倒を見てくれました。

 

小梅は厳しく当たる女将をなだめてチヌにご飯を差し出します。

 

麦飯でしたが、島ではアワやキビしか食べられなかったチヌにとって
米が入っている麦飯はごちそうでした。

 

食事が終わると見世を開くため早速洗い物や掃除など仕事につかされました。

 

そして見世が開き、提灯に明かりが灯ると、一面がキラキラ輝いて見えました。

 

チヌは美しく着飾った女郎たちをみて海の中で綺麗な魚がヒラヒラと
泳いでるようだと見とれてしまいました。

 

そんなチヌを見て女将は借金を返すまではここから出られないよと叱咤します。

 

その日の朝、島を出て姉と離れ離れになり、今は見世の下女として働いている。
チヌはなんて一日だったのだろうと涙を流しました。

 

1年後、年齢制限により見世に出せないチヌは変わらず下働きをさせられていました。

 

女将は相変わらずチヌに厳しかったが、旦那は穏やかな性格なのかチヌを
かばってくれる一面もあった。

 

見世にとっては絶好の稼ぎ時となる軍公休日のこと、チヌが玄関の掃除をさせられていると
一人の軍人が足を止めました。

 

女将はチヌを風呂に連れ込むと、彼女の体を洗い髪を結い始めました。

 

わけも分からず戸惑ってるチヌに、女将は初見世だと告げます。

 

女郎としては1歳足りませんでしたが、女将はサバ読めば大丈夫と着物まで着付けました。

 

チヌは小菊という源氏名をつけられました。

 

不安だらけのチヌが部屋で待っていると男が入ってきました。

 

男が体を求め始めるとチヌは必死で抵抗し、部屋から逃げ出します。

 

しかし逃げ出したところで、いつもはやさしい旦那さんに殴られ
髪を引っ張られて部屋に連れ戻されてしまうのです。

 

部屋に戻されたチヌは男にされるがままでした。

 

女将はその後も初物の娘と言ってチヌに客を取り続けました。

 

チヌは初めての行為であそこがヒリヒリしていました。

 

女郎仲間から妊娠しないように膣内洗浄しておくように忠告されました。

 

チヌの初物のご祝儀の多さに気を良くした女将は、表向きは下女として
働かせながら見世にも出そうと相談していました。

 

それを聞いてしまったチヌは絶望し、見世を抜け出し泳いで島に帰ろうと
海に飛び込みました。

 

チヌは必死で泳ぎましたが、途中で力尽きてしまいます。

 

気を失って沈みかけたチヌは小舟に乗った紳士に助けられました。


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